平松建治
音楽
“ゲームを舞台にした設定!しかもバトルシーン盛りだくさん!”ということで、これは「私にうってつけのお話ですね!」ということで是非に!とお受けさせていただきました!
と言うのも普段から(ゲーム音楽を作るだけじゃなく)ゲーム大好きでMMOはもちろん、丁度そのころVRゲームにもハマりつつあったので、VRMMOを舞台にした原作を読ませていただいたら、いろいろ妄想が止まらなくなってしまって…。
原作はゲームの世界が緻密に描かれているので「この能力でこのパラメータだったらどう立ち回ろうかな…」などと実際にプレイしているような感覚でページを行ったり来たりしながら数字を計算したり……その時の他のお仕事に差し障りが出るほど、どっぷり「インフィニット・デンドログラム」の世界にハマってのスタートとなりました。
シーンを説明するだけの音楽ではなく、そのコンテンツを体験された方が物語の中に入ってその世界を体験しているような、自分自身が主人公の気持ちと一緒に喜んだり悲しんだり出来るような、そんなイメージを持ちながらいつも作曲しています。
本作でも無限の広がりのあるこの世界(フィールド)や、死と隣合わせの戦いの数々、仲間たちとのとっても美味しそうな食事など「この世界に自分も行きたいなぁ〜」と思う気持ちを後押しするような音楽となるよう楽曲制作しました。
オファーいただいた時に「今作はバトルシーン多めです!!」という事で、それに合わせてバトル曲を沢山書きました!バトルシーンに合わせられる曲だけで多分10曲以上あるんじゃないかと。「バトル曲なら任せろ!」と思っていたのですが、最終的には自分の引き出しを引っ掻き回しました(笑)
でもこれだけあれば普通にゲーム一本作れちゃうので、いつか本当にゲームが発売されてこの世界で遊べる日が楽しみです!
第一話冒頭で流れる「メインテーマ」があるのですが、この曲で使用したフレーズ(モチーフ)をその他のシーンでも盛り込んで作曲しました。ピアノを使った悲しい (でもそこに微かに希望の見える)曲や、重い歴史を語るシーン、はたまた最終決戦の曲だったり…色々作りましたが、そうすることで物語としての統一感と世界の広がりを同時に表現しています。ですのでメインテーマを頭の片隅に覚えておいていただけると、全体をより一層楽しんでいただけると思います。
作曲時点では原作とキャラクターや世界の設定資料を元にイメージを膨らませていったのですが、バトルシーンなどは劇中のセリフや技の名前などを心の中で何度も叫びながら作りました…熱いシーンの曲の時はいつもそうなんですけど…傍から見たら完全に中ニ病です(笑)
ですがアニメの放送を観る時は作った時のことは忘れて完全に一視聴者なので、「あっ!この曲なんか聴いたことある!」と毎回驚いてます…(聴いたことあるの)当たり前なんですけどね。
そしてやはり絵が動いて音楽と合わさって、その上で熱いセリフ繰り広げられると、(自分自身)知っている曲とシーンなのに自然と鳥肌が立ってしまう場面に遭遇するのを毎話楽しみにしています。
また、作曲時に想定したシーンとは別の箇所で使っていただいている曲も多いので、毎回新たな発見と驚きの連続です。
「この曲にはこんな可能性があったのか!!」と。
魅力的なキャラは沢山いるのですが、そうですね…Mr.フランクリンにまつわる曲は沢山作りました。
何でも出来るこのVRMMOの世界で、敢えて悪役のロールプレイを演じ切っていて、だけどそれにはちゃんと理由があって……。
謎に包まれたおちゃらけた仮の姿から、野望に満ちたマッドサイエンティストっぷりを爆発させたような楽曲まで振り幅が大きいので作り甲斐がありました。
ゲーム世界における悪役はバトル曲と並んでやっぱり花形的な見せ場でなので。
内に秘めた葛藤と弾けっぷりのバランスの上で、ダークヒーロー的な裏の主人公感を上手く出せた曲達に仕上がったと思います。
物語もいよいよ終盤を迎え、ここからラストまで怒涛の展開が待ち構えています。
皆さん自身がレイやネメシス達と共にこのゲームをプレイしているような気持ちで、ハラハラドキドキしながら最後まで楽しんでいただければ嬉しいです!
そして専用バトル曲も沢山ご用意していますので、そちらも併せてお楽しみに!!