小市眞琴×高田憂希
ルーク・ホームズ×バビロン
小市眞琴(以下、小市):私がすごく好きなのは、マスターとエンブリオの信頼関係ですね。2人で切磋琢磨しながら戦うバトルシーンはもちろん、各パートナー同士のやり取りを見ているだけでも楽しくなります。
高田憂希(以下、高田):プレイヤー固有の力であるエンブリオの存在は、ゲームをしたことがある人だったら一度は憧れますよね。しかもそれが、自分の性格や特徴を反映した唯一無二のものとして生まれるところにも魅力を感じます。
世界観の面でも、ゲームのNPCであるティアンは一度消えてしまうと二度と蘇ることはないという設定があるのです。そこは現実世界とリンクする部分があって、物語が進むにつれてどんどん深まっていくので、私自身も引き込まれていきました。
小市:ルークはとても頭の切れるキャラクターなので、最初は「どうしたら頭がいい感じに聴こえるだろう…」と考えていました(笑)。
高田:(笑)。頭がよくて好青年なんだけど、それだけではないところもルークの魅力だよね。
小市:対人関係の面での好き嫌いがはっきりしている子なので、相手への興味の有無で喋り方が全然違うんですよ。そのトーンの落差は、話数を重ねるごとにはっきりしてくるので、楽しんでいただけるポイントかなと思います。
高田:私が演じているバビロンは「淫魔」という設定なので、最初はセクシーに演じるキャラクターなのかなとイメージしていたんです。でも物語を読み進めていくうちに、ルークの年齢制限のこともあって、“純真な女の子”という面にフィーチャーした方が彼女らしさが出るのかなと気づいて。
あと、バビロンはエンブリオなので、ルークから生まれた子なんです。だから役づくりも、彼に似ているところを探しながら進めていったんです。でも実際に演じていくなかで、ルークに足りない部分を補う役目も彼女にはあるんだろうなと。
率先して前に出ていくエンブリオというよりも、パートナーとして「一歩下がったところから見守るお姉ちゃん」のような雰囲気をにじませることを意識しながら演じています。
小市:確かにルークも他の人とは敬語で話すことが多いけど、バビと話すときはくだけた言葉遣いになっているんです。姉弟のような家族感はありますよね。
小市:お姉ちゃん!(笑)
高田:いやいや、むしろ小市ちゃんが引っ張ってくれているから!(笑)
小市:アフレコのときも、お互いに手を取り合いながらやっているんです。私がルークのことで悩んだときには高田さんに相談をして。
高田:私も「バビのイメージはこうだと思うんだけど、ルーク的にどう?」ということを聞きました。
小市:そうやって二人で役づくりをしていったので、そこはキャラクターたちの関係性と似ているのかもしれません。
高田:“パートナー”という感じがしますね。
小市:バビはルークが持っていないものを持っているんですよね。ルークは頭で考えてから行動するタイプなんですけど、バビは直感型で、みんなに好かれる雰囲気をもともと持っている子というか。逆にルークは「こうすれば人に好かれる」と頭で考えていると思うんです。
あとはなんといっても可愛いんですよ。大食いなところとか(笑)。
高田:パフェにデスソースをかけまくっていたり(笑)。
小市:そんな一面も含めていいよね(笑)。見た目は淫魔なんですけど、年齢制限があるから中身が伴っていなくて。そんなところにも魅力を感じます。
高田:あの見た目で!というギャップはあるよね。
小市:今までの作品にはない淫魔像な気がしますね。
高田:まず顔が好きです。
小市:あはは(笑)。
高田:あとは頭がキレて冷静な印象のあるカッコいい子なんですけど、その反面でバビを演じていると「守ってあげたい」という気持ちになるんです。そんな弱く見える部分にも惹かれますね。
レイとやり取りをしているときには、「レイさんレイさん!」とワンちゃんのように懐いている姿を見せたり。私も「憂希さん憂希さん!」って言われたいなぁと思いながら見ているんですけど(笑)、一度心を開いた相手に対してのルークは本当に可愛いんです。
小市:マリー・アドラー役の日笠陽子さんがすごく現場を盛り上げてくださるんですよ(笑)。
高田:そうなんです(笑)。
小市:朝の現場だったので、みんなちょっと眠たそうに入ってくるんですけど、日笠さんだけグンとテンション高く入ってきてくださるんです。音響監督さんとの会話でもクスッと笑えるようなやり取りをしていて(笑)。おかげで場の空気が柔らいでいましたね。
高田:毎朝一本漫才を見ているようで楽しかったですね(笑)。
小市:「漫才が終わったら始めようか」みたいな(笑)。マリーも周りを盛り上げてくれるようなキャラクターなので、日笠さんはまさにハマり役という感じがします。
高田:この作品には独特な用語がたくさん登場するんですけど、毎回読み方で迷うんです。例えば、原作では<超級(スペリオル)>というふうに、漢字の隣にふりがながあるのですぐに読めるんですけど、台本ではそれを漢字で読むのか、カタカナで読むのか分からないという(笑)。
小市:これは「超級」で、こっちは「スペリオル」でみたいな(笑)。
高田:でも話数を重ねるごとに「これは、スペリオルの方だ」という感覚が掴めてきて。それは楽しかったですね(笑)。
あとは、レイとネメシスの「ヴェンジェンス・イズ・マイン(復讐するは我にあり)」のように、ゲームならではの必殺技を私たちも早く言いたいなと思っていました。
小市:確かに(笑)。私たちの必殺技は結構ポップな感じなんですけど、そのシーンも楽しみにしていてほしいですね。
小市:私はせっかくなら戦いたいですね!商人や花屋のように仕事をするだけのジョブもあると思うんですけど、冒険家みたいにグイッといくような。
高田:小市ちゃんはそれこそレイみたいに聖騎士(パラディン)として戦っていたらカッコいいと思う!私はその後ろで「ファーストヒール」をしていたい(笑)。
小市:めちゃくちゃ回復してくれる魔法使いみたいな(笑)。あと私、昔からすごく忍者に憧れていたので、クナイや手裏剣を使って戦ってみたいです。
高田:私も遠距離系の武器が使いたいですね。部活選びで弓道部に入りたかったんですけど、入学した高校にはなくて。アニメとかゲームに触れていると無性にやりたくなるときがあるというか。「ついでにあなたのハートも射抜いちゃう♡」みたいな(笑)。
小市:いいね〜!(笑)
高田:冗談です!ごめんなさい!(笑)
小市:私はシュウ・スターリングですね。
高田:本当に頼りになるよね。
小市:それに熊だから癒されるし、抱きしめて寝たい(笑)。
高田:それはやってみたいなあ(笑)。すごく飄々としているキャラクターかと思いきや、実はランカーですごく強いし、私のパーティにもマスコットとして一匹ほしい!
小市:人気だよね〜。あとはルークも連れていきたいです。自分が悩んでいるときに「こっちの方がいいと思います」って冷静にアドバイスしてくれそう。
高田:わかる!あと私はバビも連れていきたいんですけど、ネメシスを癒しポジションとして連れていって、大食いしているところを見ていたいです(笑)。
小市:でも、もしもルークを連れていくとしたら、絶対にセットでバビがついてくるよね。
高田:つまりネメシスを連れていくと、レイもセットでついてくるから、結果全員集まりますね(笑)。
小市:あのパーティは本当にいいバランスだから、一番落ちつきますね(笑)。
小市:『インフィニット・デンドログラム』の世界観を余すことなくお届けできるよう、私たち役者陣も一生懸命声を吹き込みました。「ヴェンジェンス・イズ・マイン」のような必殺技のカッコよさを含め、楽しんでいただけたら嬉しいです。
また、今回アニメから入っていただく方は原作にもご注目いただくことで、アニメでは伝えきれない各キャラクターたちの物語をより深く知ることができるので、ぜひご覧になってみてください。これからどうぞよろしくお願いします!
高田:私も原作を読んで『インフィニット・デンドログラム』の細やかな世界観に感動したので、ぜひ皆さんにもその感覚をご体験いただければと思います。
そしてアニメ第1話には、キャラメイクをしたり、自分だけの武器であるエンブリオが手に入ったりという“初めてゲームを買ってプレイしたときのワクワク感”が詰まっています。
難しい用語もあるかと思いますが、ミニアニメ『なぜなにデンドログラム』で可愛く解説もしているので、そちらもご覧になりながら余すことなく作品をお楽しみください!
インタビュー・文:吉野庫之介